まるで未来都市、アブダビにあるマスダールシティに行ってみた

概要

マスダールシティ(Masdar City)はゼロ・エミッションを目指して、二酸化排出量ゼロ、再生エネルギーだけですべてを動かすことを目的に作られた街で、アラブ首長国連邦(UAE)の首都アブダビにあり、広さは2.5km四方くらいの実験都市。
2030年に首都地区移転のプロトタイプ都市でもあり、大学などの研究機関を中心に居住区、商業施設など、独立した都市機能を備え、最終的に電力は太陽光、熱、風力、地熱などの自然エネルギーをベースに都市作りしようとしているところ。

http://www.masdar.ae/en/masdar-city/live-work-play

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・全体模型

日本でもスマートグリッド、太陽エネルギー、電気自動車などいろいろと環境に優しい代替エネルギーを元に技術開発、製品開発が行われていますが、ここ中東のアブダビ、日本ではあまり知られていない都市ですが、世界最先端の施設を実際に行って見て印象的だったところを2カ所を紹介!

●未来の自動車、無人の自動車PRT(Personal Rapid Transit)
●未来のクーラー、マスダールウィンドタワー

●まずはエントランス。
歩いてはこれないのでタクシーで。アブダビ中心部からタクシーで40-50分程度で価格は3000円くらい。タクシーの料金が中東は以上に安い。さすが石油産出国だけある。リッターはハイオクで20円程度。

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エントランス界隈はカフェとドイツのシーメンス社の看板があるので目印に。
少し中に入ると、7つの首長国代表の模型がありました。
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町並みの一般的な雰囲気はこのような茶色の建物と建物と建物の間にゆとりを持たせ風通しが良い風に街が設計されている。

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未来の自動車、無人の自動車PRT(Personal Rapid Transit)

PRTは無人の電気自動車でハンドルもなく、人が運転する必要もなく、目的地を押すだけですべてオートメーションで動く自動車です。(まるで映画やアニメなどで近未来が描かれている未来像の車です。)

PRTに乗るには乗り場に行かないといけない。建物の中にあるので標識に従って行って下さい。
中に入ると、このような下に降りる階段があるので、そのまま降りて行きます。

またこの階段の手前のメッセージ性のある看板がいい!
「What I am doing today is getting me closer to where I want to be tomorrow.」
(意訳 今日やってることは自分が望んでいる明日に近づくよ→今やってることは未来を作っていくよ)

PRTは近未来の乗り物のプロトタイプなので、この事業自体が今までやってきたこと、これからもやり続けていくことが、未来を、現実を作っていくよと言うニュアンスを含んでいるように感じる。

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階段を下りると乗り場はすぐそこ。この両サイドの壁には今までの歴史やエネルギーのことを書かれている。

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これが実際のPRT

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ドアが開くと、

自動で扉が開き音声で案内が流れます。

次に目的地をタッチパネルでクリックします。すると自動で動き始めます。

#うお~、ドラえもんの世界みたい(笑)

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後は何もせずにすべて全自動で動きます。交通渋滞も接触事故もありません。周りのPRTと距離を保ちながら走ります。

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動き始めるとこんな感じです。

PRTの建物を抜けて少しいくとマスダールウィンドタワーがあります。

未来のクーラー、マスダールウィンドタワー(Masdar Institute Wind Tower)

もともと中東は夏になると40度、50度を超えるくらい暑い地域なので昔から対策として、太陽から受ける熱を最小源にするため、柱を組み合わせて影を作ることで生活空間の温度を下げていた。
このウィンドタワーのすごいところはモーションセンサーを付け、より効率よく上空の冷たい空気を生活空間へ届くように作られたところ。風も突風がふくようなことはなく、自然に。
実際、このタワーの下や周辺は天然のクーラーが入っているようで気持ちの良い涼しさがしました。
まさに生活の知恵をICTを使って自然エネルギーの活用を効果的にした典型的な良い事例。今後こういうのがいろいろと出てきそう。

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マスダールウィンドタワーは乗り物でないので仕組みの図が示された標識を掲載しておきます。

それにしてもここまで進んでいるとは思ってもいませんでした。
日本が欧米がかなり進んでいると思っていました。中東情報が日本に入って来ている情報が少ない、あるいは古い情報が多いので頭の中が凝り固まっていました。
今回マスダールシティに来て良かったのは、あまり日本では知られていないところでもテクノロジーの開発や代替エネルギー研究、新しいライフスタイルの開発が行われていると肌で感じとれてとても良かったのと、5年後、10年後の近未来を描くのにとても良い経験になりました。

ちなみに泊まったホテルはインターコンチネンタルアブダビです。
またホテルの紹介のところでレポートします。

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